診療案内

性感染症

性感染症

  • 細菌性病原体によるもの(梅毒、淋病、クラミジアなど)
  • ウィルス性病原体によるもの(HPV、尖圭コンジローマ、ヘルペス、HIV/AIDS、B型肝炎など)
  • その他の病原体によるもの(トリコモナス、カンジタ、毛じらみなど)

性交の相手に症状のあった時、帯下が多い時、下腹部痛、性交痛がある時など、異常を感じたら、早めに医師の診断を受けてください。

性感染症なぜ怖い
  • 感染しても自覚症状が出ない場合があるので、感染に気づきにくい
  • セックスパートナーへの感染率が高い。(クラミジア、淋菌では50%以上)
  • HIV感染症/エイズのように感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)が長いものがある
  • 気づかないうちに他の人にうつす(感染させる)危険性がある

大阪産婦人科医会の感染症の受診調査では、“おりもの”、“外陰部がかゆい、痛い”、“いぼができた”等で受診してきた方のうち、クラミジア感染症が半数以上、性器ヘルペスが25%弱、あとは“尖圭コンジローマ”、淋菌感染症となっています。

クラミジア

クラミジアは、子宮の頸管部に感染すると、排卵時に頸管粘液が増加した時と同じような透明で粘液性の“おりもの”があります。
殆んど症状がありません。よって、いつ感染したか、現在感染しているかは本人は気が付きません。

放置すると、感染が上行して卵管におよび卵管炎を発症します。
卵管の狭窄のため子宮外妊娠の原因となります。

さらに炎症が広がると、子宮、卵管、卵巣 これらの周囲の腹膜に炎症が起こります。
これを骨盤内腹膜炎といいます。不妊症の原因になります。

単純ヘルペスウイルス

単純ヘルペスウイルス=HSV(herpes simplex virus)は、性器に感染すると、神経を伝って上行、腰仙髄神経節などに潜伏します。
潜伏したHSVは、何らかの刺激によって再活性化され、神経を伝って下行し、再び皮膚や粘膜に現れ、病変を形成します。性器ヘルペス患者の6~7割が再発例です。再発への対策が大切です。

ときにHSVは、性器に病変を形成することなく、男性では尿道や肛門周囲に、女性では子宮頸管に排泄されることがあります。
抗ヘルペスウイルス薬は、感染して増殖しているHSVの増殖抑制には有効でありますが、潜伏感染しているHSVを排除することはできません。

人パピローマウイルス

人パピロ-マウイルス(以下HPV)は現在100種類以上に分けられます。
このHPVには大きく分けて低リスクと高リスクのタイプに分類されます。

高リスクとは子宮頸癌に関与するウイルスのことです。
10~20代全体の40%が高リスクHPVに感染し、さらにそのうち1割の人(全体の4%)が前癌病変の異形成へ進行する。さらにその1割(0.4%)が癌へ進行します。

低リスクのHPV感染症は、コンジローマなどの腫瘍性病変を引き起こすまでは基本的に無症状です。
またウイルス性の疾患であるためクラミジアのような有効な抗生物質や治療薬は無く、自己免疫による自然除去を待つといった点もあると思われます。

尖圭コンジローマ

低リスクのHPV(6,11型など)の場合、感染した扁平上皮細胞の1~3%の細胞が尖圭コンジローマを発症するとされております。
感染機会から3週間~8ヶ月(平均2.8ヶ月)で発症します。
病変は乳頭状の病変を形成することが多いです。

20代妊婦さんの低リスクHPV感染率は10~13%ほどとされています。
そのうちの1~2%ほどが尖圭コンジローマと呼ばれる病変を作ります。
尖圭コンジローマの治療は、薬品の塗布、焼却、冷凍、切除等がありますが、一度除去しても再発が多いのが特徴です。
完全に除去するまでかなりに日数がかかります。

淋菌

1回の性行為による感染伝達率は30%程度で、高い症状の軽重は、感染部位により大差があります。
女性では子宮頸管の炎症で黄色いおりものが多く、疼痛を伴わないため放置されることがあります。
放置すると、炎症が上行して、卵管炎、骨盤内腹膜炎を発症します。

症状としては、腹痛、腰痛等があります。子宮外妊娠、不妊症の原因となります。
薬剤にて治療はできますが、薬剤耐性菌が多くなり、効果のある薬剤は少なくなっています。淋菌感染は、抗体ができないため何度も感染します。

梅毒

現在は、梅毒に感染する人は少ないですが、徐々に増加の傾向にあります。男性に多い感染症ですが、20歳代前半の女性に増加してきています。

【1期梅毒】
感染後3週間たって、病原体侵入部位の局所に小豆大から示指頭大のしこりができ、やがて中心に潰瘍が形成されます。女性では大小陰唇、子宮頚部にできます。
後にやや遅れて両側の鼠径部などの所属リンパ節が無痛性に固く腫脹します。
2~3週間で無症状となります。

【2期梅毒】
3か月後に、扁平コンジローマ、梅毒性ばら疹、梅毒性アンギーナ、梅毒性脱毛症と多彩な症状を出します。
この時点で診察、治療される方が多いので、これ以上3期、4期と悪くなる人は少ないです。
梅毒による潰瘍性病変のある場合、HIV率は高い約50~300倍となります。

HIV

性感染症に罹患しているとHIVの感染率は増加します。
クラミジア、淋菌に感染している時、HIVの感染率は3~5倍増加します。
ヘルペス、コンジローマ感染時に男性のHIVの感染率は10~50倍 、女性のHIVの感染率は50~300倍増加します。

コンドームで予防できない性感染症は、HPV,尖圭コンジローム、ヘルペス等 です。
HIVをはじめとするウイルス性の感染症はコンド-ムで予防は可能ですが、これらのウイルスを完全に排除する薬はありません。